色とりどりのバッグデザイナーの日常

バッグ作りにつながる日々のインスピレーションを記録します

旅の思い出をポーチに

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「海外で買ってきた生地をポーチにしてもらいたいのだけど」そんなお話をいただき、素敵なポーチやきんちゃく袋を作らせてもらいました。

今回お声がけくださったのは、一級建築士・インテリアコーディネーターとしてご活躍の八枝佳さんです。

八枝佳さんのホームページはこちら→   https://www.racrea.com/

 

お預かりしたのは、これら4種類の素敵なカットクロスです。

葉っぱ柄 100cm×31.5cm

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お花柄 100cm×28cm

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象さん柄 64cm×42cm

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ピンク無地 72cm×32cm

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インテリア方面で使われる生地でしょうか。 どれも太めの糸でしっかりと織られていて厚めで張りがあります。1年ほど前スウェーデンでご購入されたそうです。お仕事関係の視察でスウェーデンに行かれたというお話を以前伺ったことがありますので、その際にきっと買われたのですね。素敵です!

 

どのようなポーチをお作りすればよいか伺ったところ、旅行の際スーツケースの中のものが整理しやすいよう、スーツケースに入れたまま上を開けてものの出し入れができるポーチやきんちゃく袋がよいとのこと。よくご旅行に行かれているからこその用途がはっきりとしたオーダーに、なるほどー♪と私の心もときめきました!

旅行用以外のものも含め、ご希望のデザインやサイズを詳しく教えていただき、仕上がりの風合い(張りがある感じかソフトな感じか)や裏地の色味などの希望もお伺いし、以下6点をお作りいたしました。

 

・ボックス型ファスナーポーチ(葉っぱ柄の生地を使用   縦25cm×横20cm×高さ10cm)

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3辺にぐるっとファスナーがついています。ファスナーを全部開くと中に入っているものが一目瞭然。使い勝手のよいポーチです。

大きな葉っぱの柄が蓋の部分にくるように裁断しました。サイドは生地の長さが足りなかったため継ぎ合わせていますが、できるだけ継ぎ合わせの違和感が少なくなるような柄の部分を選んで合わせました。

裏地はピンクがよいとご希望を伺っていたので、ピンク系の生地の中から選ばせていただきました。私自身は鮮やか色が好きで、この葉っぱ柄の生地にも合うのも鮮やかな色!と第一印象から思っていたのですが、ファスナーを開くたびに裏地が広い面積で目に入るので、鮮やかな色はちょっと強すぎすかな…  よくよく考え、優しいピンクにしました。ただそれだけでは全体的にぼんやりしてしまい、素敵な葉っぱの柄を生かしきれないと思ったので、ファスナーを鮮やかなピンクにしてアクセントをつけました。

張りのある仕上がりがご希望だったので、表地と裏地の間に硬めの芯地を入れました。

 

・ファスナー付きポーチ(お花柄の生地を使用  縦19cm×横25.5cm) f:id:fooco-s:20200815191455j:plain

こちらはA5サイズの平たいポーチです。

サイズ的に生地を縦に裁断できず、お花が横を向くかたちとなりました。柄の素敵なところ(私の主観ではありますが)を選んで裁断しました。

裏地とファスナーはボックス型ポーチと同様の色合わせで、お揃い感を出しました。

こちらにも硬めの芯地を入れています。

こんな感じに手帳をお入れになるそうです。

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ピンクの手帳、素敵です!手帳のピンクとファスナーのピンクが偶然にもマッチしていて嬉しいです!!

 

・四角底のきんちゃく袋(象さんの生地とピンク無地の生地を使用  縦15cm×横20cm×高さ20.5cm→中にものを入れひもを絞った時に高さ10cmになるようにお作りしました)

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サイドは象さんの生地、底はピンク無地の生地を使いました。

この写真ではわかりませんが、きんちゃくの横の生地の継ぎ目が自然になるよう、限りある生地の中でできるだけ象さんの柄の位置を合わせています。

裏地は生成りの生地を使用しました。ひもは生地のピンクの色と似た色を選ぶとちょっと地味になってしまうかな思いと、敢えて明るめのピンクにしました。

こちらにも硬めの芯地を入れています。

 

・きんちゃく袋(お花柄の生地を使用  縦22cm×横14.5cm / ピンク無地の生地を使用  縦25cm×横24.5cm

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余った生地でできる一番大きなサイズで作りました。

裏地はお花の生地には優しいピンクを、ピンク無地の生地には生成りを合わせました。ひもは四角底のきんちゃく袋と同じピンクです。

こちらに関しては、柔らかい方が使いやすいと思い、芯地は使用しませんでした。

 

・細長のきんちゃく袋(お花柄の生地の端から耳の部分を使用  縦22cm×横8cm まち2cm)

お花柄の生地の端から耳の部分にかけて、10cm×60cmの細長い生地が残りました。これを捨ててしまうのは何だかもったいないな、生地のライセンス表記と思われるアルファベットも柄とみなせるならばもう一つ作れるなと思い、ご相談させていただき、ペンや定規や入れられそうな細長いサイズのきんちゃくを作らせてもらいました。

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細長くても中に入れたものが取り出しやすいよう、サイドのスリットを深めにしました。上の部分を外折りにするとさらに取り出しやすいので、外折りしやすいようひもを通しているところの上部の端に1本ミシンステッチを入れました。また、ペンなどを入れやすいよう、少し(2cmほど)のまちもつけました。

裏地は他のお花柄の生地を使ったものと揃えて、優しいピンクの生地にしました。

こちらも芯地は使用していません。

 

これら6点を作って、残った生地はこれだけ。

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旅の思い出が込められた大切な生地をほぼ使いきり、かたちにできたことに、喜びと達成感とホッとした気持ちを感じています。また本当に素敵な生地だったので、作っていてとても楽しかったです。

 

このご依頼をいただいたのが確か2月。間にコロナの自粛期間があったとはいえ、ずいぶん長い間お待たせしてしまいました。大変申し訳なく思っていたのですが、それにも関わらず、仕上がりに喜んでくださったことに心から感謝しています。

こちらに使わせてもらったお写真の多くも、八枝佳さんからご提供いただきました。ありがとうございました。

 

八枝佳さんはこれからどんなところにお出掛けされるのかな。これらのポーチやきんちゃく袋が、八枝佳さんの旅のお供としていろんなところに連れて行ってもらえたら、本当に嬉しいです!

そして私もいつか八枝佳さんと北欧をご一緒できたらなー(八枝佳さんコーディネートの北欧インテリア巡りの旅」を妄想中…)楽しい想像が止まりません 笑